はじめに
ベネッセ教育総合研究所により次のような調査結果が発表されました。
「幼児期に『がんばる力』を身につけている子どもほど、小学校高学年での思考力が高い 」
『がんばる力』とは具体的にどういったことでしょうか。また、幼児期から『がんばる力』を伸ばすには何をすればいいのでしょうか。
『がんばる力』とは
本調査では『がんばる力』は次の4項目ではかっています。
- 物事をあきらめず に、挑戦することができる
- 自分でしたいことがうまくいかないときでも、工夫して達成しようとすることができる
- 一度始めたことは最後までやり通せる
- どんなことに対しても、自信を持って取り組むことができる
『がんばる力』を伸ばすには
保護者が子どものやりたいことを尊重し、思考を促す関わりが、子どものがんばる力を育てるということです。また、親の就労の有無や子どもが幼稚園、保育園出身であるかによる違いは今回の調査では見られませんでした。具体的には子どもに対して「なぜだと思う?」と自分で考えるように促すことが、子どものがんばる力を育てるためには大事だということです。
どこかで聞いたような・・・と思ったらこれは先日ご紹介した「全米最優秀女子高生」の母、ボーク重子さんの子育て術と同じでした。ボーク重子さんは以下を実践していました。(「全米最優秀女子高生」の母の「子育て術」)
- 「あなたはどう思う?」と尋ね、自分の考えを整理し、結論を出すという習慣をつけさせる
- 子どもの意見は否定しないが、考えを論理的に説明できなければ説得力がないと伝える
主な調査結果
ベネッセ教育総合研究所の主な調査結果は次の通り。
- 幼児期に「物事をあきらめずに挑戦する」といった『がんばる力』が高い子どもほど、 小学校低学年(1~3年)で「大人に言われなくても自分から進んで勉強する」など の学習態度や『がんばる力』も引き続き高い傾向にある。
- 小学校低学年で学習態度や『がんばる力』が身についていると小学 4 年生での言葉のスキルや思考力が高くなる。
- 親の関わりでは、子どもの意欲を大切にする態度や思考の促し(子どもが自分で考えられるように働きかけること)が幼児期から児童期にかけての『がんばる力』に影響を与えている。
まとめ
幼児期の『がんばる力』とその後の「学習態度」「思考力」「言葉のスキル」を結びつけて考えることが今までありませんでしたが、『がんばる力』を分析してみると「やり抜く」「考える」「表現する」など、「学習態度」「思考力」「言葉のスキル」につながっていることは明確ですね。
どうしても我々大人は子どもがかわいくてなんでも与えてしまいがちですが、「与えすぎない」「自分で考えさせる」「自分でやらせる」という方法も愛情の1つではないでしょうか。
参考:ベネッセ教育総合研究所「幼児期から小学4年生の家庭教育調査・縦断調査」
出典:読売新聞