はじめに
子どもに「関税ってなに?」と聞かれたらわかりやすく答えられますか?
「子どもに聞かれたら答えられるようにしたいこと」として、毎回あるテーマについて簡単な説明をするシリーズです。子どもの質問対策に少しでも役立てれば嬉しく思います。
今回のテーマは「関税」です。
2018年にアメリカと中国の間で貿易戦争が起き、ニュースでよく取り上げられていました。貿易戦争とは関税を引き上げ合うことです。アメリカはEUとも関税を引きあげ合っています。
関税とは
外国の商品にかける税金です。外国から商品を輸入すると関税がかかり、その分値段が上がります。
なぜ関税が必要なのか?
関税の目的は2つあります。
- 国の収入の確保
- 自国の産業の保護
関税は税金であり、国の収入となります。税金は例えば小学校、ゴミ処理施設、交番といった私たちが暮らしていく上で必要となる公共サービスに使われます。
外国から安い商品がたくさん輸入されると、価格面で不利になってしまう自分の国の商品が売れなくなってしまいます。関税は外国の商品の値段を調節でき、自分の国の産業を守ることができます。
関税の税率
関税は国ごとに異なり、それぞれの国が自分たちで決めます。関税を何パーセントにするか決めたものを関税率といいます。関税率は輸入する商品(もの)により異なり、その国にとって守りたいものの税率は高くされていることが多いです。
実行関税率表
日本では財務省のサイトで実行関税率表という表を見ることができます。この表を見るとかなり細かく分類されています。
第1部 動物(生きているものに限る。)及び動物性生産品
第2部 植物性生産品
第3部 動物性又は植物性の油脂及びその分解生産物、調製食用脂並びに動物性又は植物性のろう
第4部 調製食料品、飲料、アルコール、食酢、たばこ及び製造たばこ代用品
第5部 鉱物性生産品
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第21部 美術品、収集品及びこつとう
さらにそれぞれの「部」は分類が分けられています。例えば、第1部は次の通りです。
分類
第 1類 動物(生きているものに限る。) 類注 税率
第 2類 肉及び食用のくず肉 類注 税率
第 3類 魚並びに甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物 類注 税率
第 4類 酪農品、鳥卵、天然はちみつ及び他の類に該当しない食用の動物性生産品 類注 税率
第 5類 動物性生産品(他の類に該当するものを除く。)
まとめ
- 関税とは外国の商品にかける税金のこと
- 関税の目的は国の収入を確保することと、自国の産業を守ること
- 関税率は輸入品にかける税率(本来の価格の何パーセントにするか)のこと
- 関税率は「もの」ごとに細かく分かれている
関税率を調べて「その国がどのような産業をとくに守りたいのか」や、「関税が引き上げられた原因は何か」といったポイントに注目して見るのも良いのではないでしょうか。
<参考>