はじめに
子どもに「貿易ってなに?」と聞かれたらわかりやすく答えられますか?
「子どもに聞かれたら答えられるようにしたいこと」として、毎回あるテーマについて簡単な説明をするシリーズです。子どもの質問対策に少しでも役立てれば嬉しく思います。
今回は「貿易」です。わかりやすくするために日本の貿易を具体例として説明していきます。
貿易とは
外国の相手とモノ(商品)やサービスの売り買いすることです。また、外国に商品を売ることを輸出、外国から買うことを輸入といいます。
日本の主な輸出入品
貿易ではどのようなモノが売り買いされているのか。例として日本の2017年の主な輸出入品を紹介します。
輸出品
まず、輸出品です。1位は「自動車」、2位は「半導体等の電子部品」、3位は「自動車の部分品」です。「自動車」は主にアメリカへの輸出が多いですが、最近では全世界へ広がっています。また、「半導体等の電子部品」や「自動車の部分品」といった「部品」の輸出が多い理由は、海外での現地生産が増えたり、日本企業が海外に製造拠点を移したことが理由です。
輸入品
次に輸入品です。1位は「原油および粗油」、2位は「LNG(液化天然ガス)」、3位は「衣類および同付属品」です。1位2位ともにエネルギーと呼ばれます。発電・自動車・船舶・飛行機の燃料、工場の動力用燃料に使われる必要不可欠なものです。日本がエネルギー資源の産出が少なく、輸入に頼っていることがよくわかります。3位の「衣類および同付属品」はなんと約7割が中国から輸入されています。衣類に限らず”メイド・イン・チャイナ(Made in China)”をよく見かけますね。なぜ多いのかというと、中国は労働賃金が安く、企業は日本でものを作るよりも中国でものを作って輸入した方が商品を安くすることができるからです。
日本の主な貿易相手国
日本の2017年の主な貿易相手国上位3カ国を紹介します。
輸出相手国
輸出相手国の1位は「アメリカ」、2位は「中国」、3位は「韓国」です。アメリカへは自動車の輸出が多いですが、アジアへは半導体などの機械類や部品、電気製品などや鉄鋼や非鉄金属などが多くなっています。これはアジア各国が製品を組み立てる産業が多いことと、国が成長・発展してきたことが考えられます。
輸入相手国
輸入相手国の1位は「中国」、2位は「アメリカ」、3位は「オーストラリア」です。中国からの輸入品は2015年までは20年以上「衣類」が最も多かったのですが、2016年から「通信機」が最も多くなりました。確かに最近では中国メーカーのスマートフォンやルーターをよく見かけます。アメリカからはモーターなどの「原動機」の輸入が最も多いですが、「穀物」「肉類」といった食料品が多いのも特徴の一つです。オーストラリアは日本の液化天然ガス輸入国の中で最も多く輸入しています。液化天然ガスの価格が上昇したことも輸入相手国3位に入った理由の1つです。
まとめ
- 貿易とは外国の相手とモノ(商品)やサービスの売り買いすることです。
- 外国に商品を売ることを輸出、外国から買うことを輸入という
- 日本の輸出品第一位は「自動車」、輸入品代位一位は「原油および粗油」
- 日本の輸出相手国第一位は「アメリカ」、輸入相手国一位は「中国」
今回は「貿易」について、具体的に日本がどのような貿易をしているのかを例に簡単に説明しました。「貿易」の第2回として「関税」「税関」といったことについてもテーマとして取り上げる予定です。