AI(人工知能)、IT(情報技術)時代に必要とされる人材。そのような人材を育てるためにSTEM教育が注目されています。
STEM教育とは
「STEM教育」は科学技術開発の競争力向上という観点から、教育政策や学校カリキュラムを論じるときに言及されることが多い考え方であり、STEMは以下の英語の頭文字を組み合わせた言葉です。
- Science:科学
- Technology:技術
- Engineering:工学
- Mathematics:数学
STEM教育を簡潔に述べると「子どものうちからSTEMについて学んでいきましょう」ということです。なぜならば、ITやAIの技術進化が目覚ましい現代では、子どものうちからSTEMについて学び、将来活躍できる人材を育てる必要があるためです。このような人材が育たず、科学技術開発の競争力が向上しないままだと、世界で取り残されてしまうことは明らかです。また、「様々な角度から学び、考えることを子どものうちから身につけることが大切である」という観点もあるようです。
最近ではSTEMにArt(芸術)を加えた「STEAM教育」という言葉もあります。芸術について学ぶことも現代では重要であるという考え方です。美意識やデザインの重要性については以下のブログで紹介していますので是非ご覧ください。
具体的に何をするのか
「子どものうちからといっても何歳からSTEM教育を始められるのか?」と疑問に思う方も多いかと思いますが、STEM教育は未就学児からできます。LEGOやプログラミング(ViscuitやScratchJrなど)もSTEM教育に含まれるからです。未就学児〜小学生までのおすすめ教材は以下のブログで紹介しています。
「LEGOやプログラミングは単なる遊びで何も身につかないのではないか」と感じる方もいるかと思いますがそんなことはありません。空間を把握する力、想像力(創造力)、問題発見・解決力、論理的思考力などが身につきます。これらの力はSTEM教育がより高度になったとき、つまりSTEMを使って現実社会の問題について取り組んでいく時に必ず役に立つはずです。
東京都のある高校では、細胞の培養実験を通し、食糧問題について考える取り組みが行われたそうです。人工肉の生産などの理系の手法を使い、温暖化の産地の変化や人口の急増している国での食料の奪い合いなどの問題を解決できないかということです。
(出典:日本経済新聞)
男女問わず必要となる「理系脳」
今年6月に創立110周年を迎えた私立高木学園女子高校(横浜市)は、来年4月から名称を「英理女子学院高校」に変え、グローバルに活躍できる理数系の女子高生を育てる「iグローバル部」を設けるとのことです。まさか高校の名前を変えてしまうとは。学校側の強い決意表明と受け取れます。同校の理事長はICT化が進む社会を認識し、「女性は理数系が苦手だという人もいますが、そうはいっていられません」と述べています。
「理系脳」も「文系脳」も必要
日本では文部科学省による教育改革が進められており、合科目という考え方が主流になっていきそうです。合科目とは科目をまたがって総合的に考えるということです。例えば社会の問題を理科の視点から考えるといった感じです。これからの時代はSTEM教育と同様に、「多角的に物事を考える必要性がある」ということがわかります。つまりは「理系脳」も「文系脳」も必要だということです。そのように分けていること自体ナンセンスなのかもしれませんね。