PHPは、ウェブサイトの構築や動的なコンテンツ表示、データベースとの連携など、幅広い用途で活躍する言語です。
今回は、プログラミング初心者向けに、
・PHPの特徴
・できること、苦手な事
・HTMLやJavaScriptとの違い
・基本ルールと構文
・フレームワーク
など、重要なポイントを網羅的に解説します。
PHPというプログラミング言語について少しでも理解してもらえれば幸いです。
PHPとは何?PHPの特徴は?
PHPは、Web開発に特化したオープンソースのプログラミング言語です。
初心者にも比較的学びやすく、幅広い用途で活躍しています。
PHPは、Webページの生成、データベースとの連携、ユーザー認証、フォーム処理、APIとの連携など、さまざまなことができます。しかし、複雑なアルゴリズムの処理、リアルタイム処理、モバイルアプリ開発などにはあまり適していません。
PHPは、HTMLとJavaScriptと連携して、さまざまなWebアプリケーションを開発することができます。
次の項目では、より詳細にPHPの特徴について説明します。
PHPでできることは?
PHP は、動的な Web サイト、コンテンツ管理システム、E コマース サイト、API、データ処理など、さまざまな用途に使用できる汎用性の高いプログラミング言語です。
主な機能をくわしく紹介します。
- Web サイト開発
PHP は、動的な Web サイトを作成するために使われます。
データベース接続、ユーザー入力の処理、フォーム送信などの機能が作れます。 - コンテンツ管理システム (CMS)
WordPress や Drupal などの多くの CMS は PHP で構築されています。
CMSとは、Web サイトのコンテンツを簡単に管理するためのツールです。
PHPは管理画面や複雑なコンテンツ管理機能を作ることができます。 - Eコマースサイト
ショッピングカートや決済処理などの E コマースサイトに必要な機能を開発できます。
豊富なライブラリとフレームワークを活用して、安全で効率的な E コマース サイトを構築できます。 - API 開発
APIとは、異なるシステム間でデータを交換するための仕組みのことです。PHPは、RESTful API や SOAP API などのさまざまな API を開発できます。 - データ処理
PHP は、CSV ファイルや Excel ファイルなどのデータを処理できます。また、データベースとの統合が容易なため、大量のデータを効果的に処理するアプリケーションを開発できます。
これらは、PHP の機能のほんの一部です。PHP は、非常に汎用的で、さまざまな用途に使用できるプログラミング言語です。
PHPが苦手なことは?
PHPはさまざまなことができますが、なんでもPHPに頼って頼っていいわけではありません。
他の言語を使う方が適切な場合もあります。
- 大規模アプリケーション
PHPは、小〜中程度のアプリケーション向けに設計されました。
そのため、大規模で複雑なアプリケーションでは、パフォーマンスなどに問題が発生する可能性があります。 - リアルタイムアプリケーション
リアルタイムチャットやゲームなど、高速な応答時間が必要なアプリケーションには適していません。 - セキュリティ
PHPは、歴史的にセキュリティ上の脆弱性がありました。今もなお脆弱性が発見させることが多いので、バージョンアップはしっかり行いましょう。
HTMLとJavaScriptとの違いは?
HTMLとJavaScriptは、どちらもWeb開発に使用されるプログラミング言語ですが、それぞれの役割は異なります。
HTMLは主にWebページの構造を定義し、JavaScriptはWebページに動きをつけるために使用されます。
HTMLはHyperText Markup Languageの略で、Webページの構造を定義するマークアップ言語です。
タグと呼ばれる記号を使って、見出し、段落、画像、リンクなどを記述します。
一方、JavaScriptはプログラミング言語の一種で、Webページに動きをつけるために使用されます。
ボタンのクリックやフォームの送信などのイベントに対応して、さまざまな処理を実行することができます。
PHPの基本ルール
PHPは歴史が長く、古いコードが残っているため、セキュリティ上の問題が発生しやすい言語でもあります。そのため、セキュリティ対策を十分に講じることが重要です。
また、PHPは近年、新しい言語であるPythonやRubyに人気を奪われています。しかし、依然として多くのウェブサイトで利用されており、今後も一定の需要が見込まれます。
ファイルの拡張子は.php
PHP ファイルの拡張子は .php である理由は、PHP が元々 HTML の中で使われていたスクリプト言語だったからです。HTML は静的なウェブページを作成するために使用されるのに対し、PHP は動的なウェブページを作成するために使用されます。
動的なウェブページとは、ユーザーの入力やデータベースの情報に応じて内容が変化するウェブページのことです。
現在では、PHP は単なるスクリプト言語ではなく、独自の機能を持つ独立したプログラミング言語として発展しています。しかし、ファイルの拡張子は歴史的な経緯から .php のままとなっています。
コードを配置する場所
コードは常に <?php と ?> タグの間に記述する必要があります。
これらのタグは、PHPコードが開始および終了する位置を示すものです。
一般的には、PHPコードはHTMLファイルに直接記述するか、別のPHPファイルに記述してincludeまたはrequireステートメントを使用して呼び出すことができます。
以下に、PHPコードの配置場所の例をいくつか示します。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>PHPコードの例</title>
</head>
<body>
<?php
// ここにPHPコードを記述します
echo “Hello, world!”;
?>
</body>
</html>
// コードが記述された別ファイル(example.php)
<?php
function helloWorld() {
echo “Hello, world!”;
}
?>// コードを呼び出すHTMLファイル
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>PHPコードの例</title>
</head>
<body>
<?php
include “example.php”;
helloWorld();
?>
</body>
</html>
// コードが記述された別ファイル(example.php)
<?php
function helloWorld() {
echo “Hello, world!”;
}
?>// コードを呼び出すHTMLファイル
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>PHPコードの例</title>
</head>
<body>
<?php
require “example.php”;
helloWorld();
?>
</body>
</html>
いずれの場合でも、PHPコードは常に<?phpと?>タグの間に記述する必要があります。また、PHPコードの配置場所は、そのコードの機能や目的に応じて選択する必要があります。
セミコロン(;)をコードの最後に付ける
PHPの基本ルールとして、コードの最後にセミコロン(;)を付ける必要があります。
セミコロンは、1つの命令の終了を示します。
セミコロンを付けないと、PHPはコードを正しく解釈できず、エラーが発生する可能性があります。
また、セミコロンを付けることで、コードの可読性も上がります。
コードの最後には必ずセミコロンを付けるようにしましょう。
コメントの書き方
PHPのコメントは、プログラムの理解やメンテナンスを容易にするためや、コードに説明を加えるために使用されます。コメントは、コードの実行には影響しません。
コメントを使う理由は、
- コードの説明を追加する
- 一時的にコードを無効にする
- コードをレビューするために使用する
という点です。
コメントを効果的に使用することで、コードをより理解しやすく、メンテナンスしやすくすることができます。
- 単一行コメント:// 記号の後にコメントを入力します。
- 複数行コメント: /* 記号と */ 記号で囲んだ部分を入力します。
これは複数行コメントです。
複数行にわたってコメントを入力することができます。
*/
PHPの基本構文
PHPの基本構文は、他のプログラミング言語と同じく、変数、演算子、条件分岐、繰り返し処理など、様々な要素を組み合わせてプログラムを作成します。
これらの要素を組み合わせることで、様々な機能を持ったプログラムを作成することができます。
これらの要素についてより詳しく説明していきます。
変数の使い方
変数とは、プログラム内でデータを一時的に格納する名前付きの入れ物です。
変数を利用することで、プログラム内で値を記憶させて再利用することができます。
PHPでは$で始まる名前を付けて変数を定義します。
変数名には数字、英字、アンダースコアを使用でき、先頭には数字は使用できません。
変数の使い方には、主に以下の3つの方法があります。
- 変数に値を代入する
- 変数の値を変更する
- 変数の値を利用する
$name = “田中”;
$age = 30;//変数の値を変更するのにも = を使用
$age = $age + 1;//変数の値を利用するには、変数名を使用
echo $name;
//他の文字列と連結するには . を使用
echo $age . “歳”;
演算子の種類
演算子は、数値や文字列を操作するために使用する記号です。
算術演算子
算術演算子は、数値を操作するために使用されます。
- + 加算
- – 減算
- * 乗算
- / 除算
- % 余り
比較演算子
比較演算子は、数値や文字列を比較するために使用されます。
- == 等しい
- != 等しくない
- < より小さい
- > より大きい
- <= 以下
- >= 以上
論理演算子
論理演算子は、論理式を操作するために使用されます。
- && そして
- || または
- ! 否定
代入演算子
代入演算子は、値を変数に代入するために使用されます。
- = 代入
- += 加算して代入
- -= 減算して代入
- *= 乗算して代入
- /= 除算して代入
- %= 余りを代入して代入
その他
- . コンカチネーション(連結)
- ++ インクリメント(変数の値から1を足す)
- — デクリメント(変数の値から1を引く)
条件分岐と繰り返し処理
プログラムは基本的には逐次処理(上から順番に実行される処理)が実行されますが、特定の条件が満たされた場合にのみ実行する処理や、繰り返し処理が必要な場合があります。
その場合、条件分岐や繰り返し処理を使います。これらの構文を使用することで、プログラムの処理内容をより複雑にすることができます。
条件分岐とは、特定の条件が満たされた場合にのみ実行する処理のことです。
PHPでは、if文、else if文、else文を使用して条件分岐を行うことができます。
// 条件が真の場合に実行される処理
} else if (別の条件) {
// 条件が真の場合に実行される処理
} else {
// 上記の条件がどちらも偽の場合に実行される処理
}//使用例
$age =20;if ($age < 20) {
echo(“20歳未満です”);
} else if ($age === 20) {
echo(“20歳ちょうどです”);
} else {
echo(“20歳以上です”);
}
繰り返し処理とは、特定の処理を繰り返し実行することです。
PHPでは、for文やwhile文を使用して繰り返し処理を行うことができます。
// 繰り返し処理される内容
}//使用例:1から10までの数を出力する
for ($i = 1; $i <= 10; $i++) {
echo $i . ” “;
}while (条件式) {
// 繰り返し処理される内容
}
//使用例:1から10までの偶数を出力する
$i = 1;
while ($i <= 10) {
if ($i % 2 == 0) {
echo $i . ” “;
}
$i++;
}
関数の定義方法
関数を使用すると、コードを再利用し、より効率的にプログラムを作成することができます。
引数(関数の中で使える変数のようなもの。関数を呼び出す際に引数の部分に任意の値を入れると、その値に置換して処理が行われる。)を使えば、より柔軟なプログラムが作れます。
// 関数の処理内容
}// 使用例:名前を出力する
function greet($name){
echo “こんにちは、 “ . $name . “さん。”;
}
greet(“田中”); //「こんにちは、田中さん。」と出力される
PHPフレームワークとは
PHPフレームワークは、PHPアプリケーションを開発するためのソフトウェアの枠組みです。
・アプリケーション開発簡素化
・メンテナンス効率化
・セキュリティ強化
などのメリットがあります。
代表的なPHPフレームワークには、Laravel、Symfony、CakePHP、Zend Frameworkがあります。
これらのフレームワークはそれぞれ、独自の機能や特性を持ち、開発者のニーズやプロジェクトの規模に応じて選択することができます。
フレームワークを使用することで、アプリケーションの開発効率を向上させ、メンテナンスを容易にできます。また、セキュリティ対策もフレームワークの機能を利用して強化することができます。
まとめ
PHPは初心者にも学びやすく、幅広い用途に使用できるプログラミング言語です。Web開発に適しており、HTMLとJavaScriptと連携して動的なウェブサイトを作成できます。
Webページ制作に興味のある方は。ぜひ学んでみてください。