はじめに
国の政策により2016年入試から私立大の入学定員管理の厳格化が始まりました。その影響で特に私立大文系の入試は年々難しくなっているそうです。そもそもなぜ私立大学の定員管理を厳格化しているのでしょうか。
なぜ定員管理を厳格化するのか?
若者の東京一極集中に歯止めをかけ、地方創生につなげることが狙いです。
定員増加を法律で禁止
文部科学省は2017年に東京23区内の私立大学と短大の定員増加を、一部の例外を除いて認めないことを正式に告示しました。また、2018年5月には東京23区の大学の定員増を原則10年間禁じる地域大学振興法が成立しました。10年間という期限は大学の経営の影響を考慮しています。この法律の正式名称は「地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による 若者の修学及び就業の促進に関する法律」です。概要は以下の通り。
- 地域における大学振興・若者雇用創出のための交付金制度
- 特定地域内の大学等の学生の収容定員の抑制
- 地域における若者の雇用機会の創出等
参考:文部科学省Webサイト(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/teiinyokusei/1409660.htm)
定員管理厳格化の影響
私大定員が厳格化され、東京都の現役大学進学率は3年連続で下がりましたが、全国の進学率は最高水準が続き、地方で地元大学が増えたことは事実のようです。
(参考:日本経済新聞)
一方で、次のような影響も出ています。
- 3大都市圏を中心に浪人生が増えている
- 入りたい大学より入れる大学を選び挑戦意欲が削がれている
まとめ
私大の定員管理厳格化について、文部科学省が行なった意見公募には「学問の自由に反する」などの否定的な意見が多く寄せられる一方で、「学生の質の確保につながる」といった肯定的な意見もあったそうです。地域大学振興法の10年間という期間の中で、どのように日本が変わっていくのか、注視していきたいですね。