プログラミングといえばパソコンやタブレット、ロボットなどを使うイメージがありますが、最近はパソコンを使わずにプログラミング教育に取り組む小学校が増えているそうです。「パソコンもタブレットも使わないプログラミングなんて、なんか理由があって苦し紛れでやってるんでしょ。」と思ってしまった私ですが。。
パソコンを使わないプログラミングとは?
いきなりパソコンを使わないのは子ども達が苦手意識を持たないようにするためです。具体的には複数枚のカードを正しい順序に並べ替えるといった方法があります。東京都文京区立湯島小学校1年の「生活」の授業では、次の4枚のカードを正しい順序に並べるといった取り組みが行われました。
- こうていへいどう
- しゃがむ
- おちてくるものがないところへいどう
- せいれつ
気づいた方もおられるかと思いますが、これは「災害時の避難手順」です。子ども達はまず個人で考え、そのあと意見交換し、カードの順番を何度も考え直したそうです。
正確に言うとこの授業はプログラミングではなく、プログラミング思考(論理的思考)を伸ばす授業です。しかし、論理的思考力を伸ばしておくことは、実際にプログラミングするときに間違いなく生きてくることでしょう。
(出典:読売新聞)
この取り組みで特に素晴らしいと感じた点が2つあります。
1つ目は実生活と繋がっている点です。せっかく論理的思考力を伸ばしても机上で終わってしまっては意味がありません。パソコンやタブレットの中だけで収まってはもったいない。そう考えると「災害時の避難手順」といった自分の身の回りのことから、より大きな「社会」に目を向けるきっかけになりそうです。
2つ目は自分で深く考え、クラスメイトと意見交換している点です。これまでのような一方通行の授業ではありません。今の時代は会社に入ってから丁寧に新人研修を行うといった姿勢にも変化が出ているようです。社会に出てから思考力や議論する力を伸ばすのではなく、小さいうちから養っておくべきでしょう。
まとめ
「パソコンもタブレットも使わないプログラミングなんて大したことないだろう。」と思ってしまった私ですが、撤回します。とても勉強になりました。。実際にプログラムを作成することも大事ですが、プログラミング思考(論理的思考)を育て、それを実生活・実社会に生かす考え方を育てることも重要であると、本質を確認することができました。皆さんも少し大きな視点を持って「パソコンもタブレットも使わないプログラミング」を実践してみてはいかがでしょうか。