はじめに
子どもに「民主主義ってなに?」と聞かれたらわかりやすく答えられますか?
「子どもに聞かれたら答えられるようにしたいこと」として、毎回あるテーマについて簡単な説明をするシリーズです。子どもの質問対策に少しでも役立てれば嬉しく思います。
今回は「民主主義」です。
民主主義とは
民主主義を簡単な言葉で説明すると「ものごとをみんなで決めましょう」という考え方のことです。日本という「国」でいうと、「国のあり方を決める権利は国民が持っている」ということです。権利を持っている人を有権者と言います。実際に選挙を通じて代表者に自分の権利をゆだね、政治を任せていますよね。この民主主義の考え方に基づく政治体制を民主制といいます。
ちなみに民主主義の反対は「独裁制」です。こちらも簡単な言葉で説明すると「独裁者(支配者)がものごとを決める」という考え方です。王族といった生まれつき国家権力を持つ人、特定の個人や党派などが独占的に政治を行うことです。
民主制の2つのかたち
民主制には次の2つのかたちがあります。
①直接民主制
みんな(有権者)がそれぞれ自分の意見を出し合い、話し合ってものごとを決めていく(議決する)かたち。直接民主制ではみんなが多く(集団の規模が大きく)なると全員で話し合うことは難しくなります。
②間接民主制
みんな(有権者)の中から代表者を選び(選挙)、代表者が集まって(議会を構成して)ものごとを決めていく(議決する)かたち。議会には市議会、県議会などいろいろなものがありますが、国の議会は「国会」といいます。
日本の民主主義の評価
日本の民主主義の世界における評価は残念ながら低いものです。民主主義指数という指数があります。イギリスのエコノミスト誌傘下の研究所エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが世界167ヶ国を対象に2年おきに発表しています。各国の政治の民主主義のレベルを5つの部門から評価した指数です。5つの部門は以下となります。
- 選挙過程と多元性
- 政府機能
- 政治参加
- 政治文化
- 人権擁護
2017年のランキングでは1位がノルウェーで、日本は23位に位置しています。先進国の中では下位です。その大きな理由の1つは投票率の低さです。最上位の北欧諸国では、投票率が80%程度に達しているのに対し、日本の衆議院選挙の投票率は50%程度です。評価対象の5つの部門でいえば「政治参加」にあたります。もう1つの理由は、女性の国会議員が少ないことです。ヨーロッパでは、女性議員は3割を占め、大統領や首相になる人もいます。これに対し、日本の国会では女性議員は少なく、女性の総理大臣は今まで誕生していません。
まとめ
- 民主主義とは「ものごとをみんなで決めていく」という考え方のこと
- 民主主義の考え方に基づく政治体制を民主制という
- 民主制には直接民主制と間接民衆性がある
- 世界における日本の民主主義の評価は低い
- 日本国民の政治参加率は低い