はじめに
国際バカロレア(IB)の導入校が増えているようです。
(出典:日本経済新聞)
IBとはInternational Baccalaureateの略です。文部科学省では、グローバル人材育成の観点からIBの普及・拡大を推進しており、国内における国際バカロレア認定校等(ディプロマプログラム)を2018年までに200校に大幅に増加させることを目標としています。
国際バカロレア(IB)とは何なのでしょうか。出来るだけポイントを絞ってまとめてみました。
国際バカロレア(IB)とは
- 国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。(世界共通の教育プログラムとも言える)
- 対象は3歳から19歳
- グローバル化に対応できるスキルを身に付けた人材を育成する
- 国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を取得できる
- 国際バカロレア資格で大学進学へのルートを確保することが目的
IBプログラムについて
生徒の年齢に応じて、以下の教育プログラムが提供されています。(2018年4月1日現在、世界140以上の国・地域、5,119校において実施)
- PYP (Primary Years Programme)
- 校数:1,658校 (日本27校)
- 対象:3-12歳
- 概要:精神と身体の両方を発達させることを重視したプログラム。
- 言語:どのような言語でも提供可能。
- MYP (Middle Years Programme)
- 校数:1,488校 (日本16校)
- 対象:11-16歳
- 概要:青少年に、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラム。
- 言語:どのような言語でも提供可能。
- DP (Diploma Programme)
- 校数:3,340校 (日本38校)
- 対象:16-19歳
- 概要:所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能。
- 言語:原則として、英語、フランス語又はスペイン語で実施。
- IBCP (Career-related Programme)
- 校数:180校 (日本0校)】
- 対象:16-19歳
- 概要:生涯のキャリア形成に役立つスキルの習得を重視したキャリア教育・職業教育に関連したプログラム。
- 言語:一部科目は、英語、フランス語又はスペイン語で実施。
DPは日本語で受けられないのか
DPの授業・試験は、原則として、英語、フランス語又はスペイン語で行う必要がありますが、現在、文部科学省と国際バカロレア機構が協力して、DPの一部の科目を日本語でも実施可能とするプログラムの開発が進められています。また、既に一部の科目では日本語で履修可能であり、国際バカロレア試験においても日本語により受験が可能になっています。
従来の教育と具体的にどう違うのか
日本の学校教育も改革が始まっていますが、これまでの日本の学校教育と比べると大きな違いは以下となります。
- アクティブラーニング(生徒が主体的に学ぶ)
- グローバル化(英語で学ぶ)
- 討論・プレゼンテーション(討論・プレゼンテーション中心の授業が多い)
メリットデメリット
日本の高校に当たるDPについてですが、IB導入校でDPを学ぶメリットとしては「DPでは国際バカロレア資格を取得でき、世界を視野に入れた大学の選択肢が広がる」ということ。(注意点は、資格にはスコアがあり、そのスコアを各大学が入学判断の材料にするということ)
デメリットとしては「文部科学省の定める学習指導要領とIB のDPを学ぶため負担が大きくなる」というところでしょうか。
日本の現状とこれから
- インターナショナルスクールを中心に導入が進んでいたが、日本の高校にも導入が進んでいる。
- 日本の高校の一部の科目をIBの科目に置き換えても高校の卒業資格を得ることができる。
- 日本では2018年6月時点で38校が「英語ディプロマプログラム(DP)」を導入している。
- 38校のうち22校でIBとともに日本の高校卒業資格が取得できる。
- IBを入試資格として認める国内の大学は増加しており、2017年で54大学ある。
- IB導入のインターナショナルスクールよりも、IB導入の日本の普通校の方が学費が安い。
- 将来的にIBを導入する高校が増える見込み。
- 将来的にIBを入試資格として認める国内の大学も増える見込み。
今後IBを導入する学校は増えていくものと予想されます。世界を視野に入れて子どもの将来の選択肢を広げるため、検討してみてはいかがでしょうか。
(参考)