はじめに
11月10日と11日、2日間に渡って「大学入学共通テスト」の本番前最後のプレテストが実施されました。2017年11月に続き2度目です。大学入試センターによると、最も多い科目で約6万8000人が参加したとのこと。プレテスト実施から対策について考えることができそうです。
大学入学共通テストとは
新聞やテレビで取り上げられてはいますが、「大学入学共通テスト」はまだまだ認知がされていないようですので、まずは「大学入学共通テスト」についてポイントを簡単にまとめました。
- 大学入試センター試験に代わるテストとして2020年度(2021年1月)から実施されるテスト
- マークシート式問題に加え記述式問題が導入される
- 知識の深い理解と思考力・判断力・表現力を重視した問題に見直される
- 英語はこれまでの「読む」「聞く」に「書く」「話す」加えた4技能評価へ
- 英語は民間の資格・検定試験を活用する
(参考:独立行政法人大学入試センター)
記述式については今のところ「国語」「数学I」で、それぞれ小問3問の記述式問題が導入される予定です。また、プログラミングを含む「情報I」も導入が検討されています。
第2回プレテスト参加者の感想
問題自体も気になりますが、やはり気になるのは参加者の感想。
日本経済新聞に参加した高校生の貴重な声が紹介されていました。
- 「知識だけでは解答できない」
- 「国語力が必要」
- 「全教科で国語力や情報処理能力が問われている」
- 「普段の授業で簡潔な文章を書く機会があまりなく、難しかった」
- 「理系科目は知識より考え方をみるような問題が多く、問題の趣旨をしっかり理解しないと解けない」
(出典:日本経済新聞)
今までの「大学入試センター試験」とは明らかに違うことが伝わってきます。
複数の文章や資料を読んで解く問題もあり次のような声もあったそうです。
- 「全部読めるか不安になり、集中力が途切れそうだった」
実際にプレテストでは次のような出題がされました。(伝わりやすいように原文から一部省略しています。)
第2問【資料I】は【資料Ⅱ】と【文章】を参考に作成しているポスターである。これらを読んで、後の問い(問1〜6)に答えよ。
(出典:読売新聞)
【資料Ⅰ】のポスターの題名は「著作権のイロハ」。そして【資料Ⅱ】は著作権法の条文の一部。
高校生が著作権法の条文の一部を読みながら解く問題が出題されるとは。
今までの「大学入試センター試験」からは考えられない問題ではないでしょうか。
しかしながら、ビジネスにもつながる内容です。日本の教育もこのような大人になって役立つ内容に変わるのであれば、今の子どもたちは幸せなのではないでしょうか。
「大学入学共通テスト」へ向け家庭でできる対策は?
「大学入学共通テスト」の対策としてまずやるべきことは読解力を育てることでしょうか。
読解力を育てる1つの方法として、読書があります。友達同士で最近話題の簡単なビブリオバトルをするのも良いかもしれません。(ビブリオバトルについてはこちら)小学校低学年までなら読み聞かせでも効果があり、1度に1冊全部読む必要はなく、区切りのいいところでやめても良いそうです。読んだ後に感想を言い合うとより効果的とのこと。
本が好きになれない場合、マンガ・映画・演劇・ミュージカル・落語でも効果があるようです。いずれも感想を言い合うようにすると、読解力とともに思考力も育つと考えられます。
「大学入学共通テストへの対策」と聞くとなんだか身構えてしまいますが、これなら日頃から簡単に対策できそうですね。