藤井聡太さんが学んでいたということで話題になった「モンテッソーリ教育」 (出典:プレジデントFamily)
他にも多くの著名人がこの教育を受けています。
・Google創業者 ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン ・Facebook創業者 マーク・ザッカーバーグ ・Amazon創業者 ジェフ・ベゾス ・社会学者 ピータードラッカー など
名だたる著名人を前に、「学校教育とはかけ離れた天才向けの教育をしているのでは。。」と思って敬遠してしまう人もいるかと思います。私の第一印象はそうでした。
しかし、多くの著名人を育てた教育内容を知らないわけにはいきません。 「モンテッソーリ教育」とは一体どういうものなのでしょうか。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育とは、イタリアの医師、マリア・モンテッソーリによって考案された教育法です。 モンテッソーリ教育法は主に乳児、幼児、園児あるいは児童を対象にしていますが、欧米にはモンテッソーリの小学校は数多くあり、中学校や高等学校も存在します。
大きさ、手触り、重さ、材質などもこだわって作られた「教具」と呼ばれる様々な教材を通し、子どもたちの繊細な五感を刺激して脳を育てます。
ここまでの説明では「感覚的なものは育てて欲しいけれど、社会、仕事、生活で生きるのか?」と思われる方も多いと思います。 そしてやはり気になってしまうのは「受験で役に立つのか?」でしょうか。 それらの疑問は「教具」を具体的に見ていくと解消できるかもしれません。
モンテッソーリの幼稚園で使われる教具
・日常生活の教具 小さなホウキやちり取り、毛糸針を使った縫い刺しなど
・感覚教育の教具 円柱をぴったり穴にはめこんだり、色のついた板を並べたり
・言語教育の教具 文字を覚える
・算数教育の教具 数字や簡単な足し算などを学ぶ
・文化教育の教具 世界地図や時計の見方などを学ぶ
小学校の領域では使われる教具
・算数教具
・幾何学教具
・生物教具
・地理教具
など
動物を分類する「生命の樹」という教具
平方や立法を体験する「ビーズキャビネット」という教具
(出典:プレジデントFamily)
いかがでしょうか。学校の教育内容とも共通しています。
しかし決定的に違うことは、カリキュラムは子ども主導で進むことと、教具で体験して知識を吸収することです。
横浜にあるマリア・モンテッソーリ・エレメンタリースクール(小学生向けフリースクール)では、先生の役割は子供達の学習進度に合わせて教室に教具を配置するなどの「サポート役」という位置づけだということです。受け身でなく主体性が身につきます。
また、人体の勉強をする子は紙粘土で脳を再現するそうです。同スクール理事長の高根さんは「子供たちは手を動かして、触って、学習しているから、頭のなかに豊かなイメージが広がっています。だから忘れないのです。」とコメントしています。
マリア・モンテッソーリ・エレメンタリースクールでは実際に受験でも実績を上げています。開成中学校、聖光学院中学校、栄光学園、武蔵中学校、豊島岡女子学園、慶應義塾湘南藤沢中等部、攻玉社中学校などの合格実績があります。
同校で受験指導を行なっている中村秀男先生は次のように話す。 「中学受験の勉強というと、通常は4年生から始めます。ここでは5年生から始めていますが、彼らは6年生からでも十分なくらい。それくらい下地はできている。下地とは、『知的好奇心』と『考える力』です。 (中略) 自分が持っている知識とイマジネーションと結びつけてしまうので、記憶ものも強いです。」(出典:プレジデントFamily)
モンテッソーリ教育とその実績を知ると、教科書中心の教育に疑問を感じてしまいます。
受験の話題となりましたが、『知的好奇心』と『考える力』は、社会・仕事・生活でもその人間の土台となって役立つものです。 そして、子供たちはすでに受験のその先を見ていることが、次の高根理事長の言葉からわかります。
子供たちの素晴らしさは、学力だけでないと高根理事長は語る。 「3年生くらいになると、みんな自分の得意分野がわかって、その得意なことでお役に立ちたい、と言うようになります。こうした心の成長にもっとも感動させられます」 なぜ、心が成長するのか。それは最初に「宇宙」や「生命の担当」など、を大きなスケールで物事を学ぶからだという。 自分が宇宙の一部として、生かされているのを自然と感じ取れるカリキュラムになっているのだ。
(出典:プレジデントFamily)