こんにちは。渡邊です。
さて、突然ですが、深く考えるとは、どういうことでしょうか?
一つの事象について掘り下げて考えること!という答えが返ってくるかと思います。
では、掘り下げるとは?
トヨタ式で有名ななぜを五回くりかえすというのが、皆さんは一番イメージが湧くのではないでしょうか?
子どもでも大人でも同じですが、考えましょう!と相手に言っても、「考える方法論」が分からないと難しいかと思います。
従って、その型や道筋があると考えやすいということになります。
では、どんな型を使って考えれば良いのでしょうか?
これも、普段の生活や仕事をイメージすれば、いろいろな型を使って考えていることが分かります。
例えば、考える型として、下記のようなものが思いつくのではないかと思います。
・比較する
・(本質を)探求する
・関係性を考える
・多面的に考える
・長期的に考える
など
他にもさまざまあるでしょうが、これらは普段から自然と行なっていることが多いのではないでしょうか?
例えば、家庭での料理を題材にすると、
今日は何を作ろうかと料理を頭の中で発想し、比較する。この時に、家族の顔を思い出し、それぞれの立場に立って(多面的に)、献立を考える。普段から、長期的な健康のために気を使って材料を購入する。など、料理だけでもこのように考える型を使っているわけです。
これを、教育や人間の成長に置き換えると、そのような型をいつでも使いこなせるように慣れさせることが大事です。
経営学でいうと、この型は、フレームワークと言います。PEST分析や3C分析といったような名前がつけられています。
名前はともかくとして、このような考えるためのフレームワーク、道筋を普段から意識して使えるようにすることが、社会に出て活躍していく、成果を上げていくために重要だと私たちは思っています。
先日も、小学6年生のレッスンで、民泊について考えました。朝日小学生新聞に民泊の記事があったので、それを解説して、考えることにしました。
その際、民泊について、事実をまとめ、意見を出しましょう!というだけでは、子どもたちも、何を書けばいいのか思いつかないし、分かりません。
考える型や道筋を与えていないからです。
そこで、このようにしました。
民泊に関係する利害関係者をまず考えてもらいました。
<利害関係者>
部屋を貸し出す人(民泊物件所有者)、借りる人(旅行者など)、旅館・ホテル、民泊仲介業者(Airbnbなど)、民泊物件の近所の住民、国、市町村など
そして、上記のように利害関係者をまず洗い出した上で、それぞれのメリット・デメリットを考えてもらいました。
そうすると、ただ漠然と考えるように言うよりも、考える対象が具体的になるので、深く考えられるようになります。
いかがでしょうか?
深く考えると言うのも技術です。武道や茶道で、守破離(しゅはり)と言う考え方があります。これは、個人のスキル(作業遂行能力)を3段階のレベルで表しています。
まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まります。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破」ります。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。
このように、まずは型を使いこなせるように導いてあげることが重要なのではないかと最近つくづく思います。