STEAM教育とは?実践ポイントや事例でわかりやすく解説!

STEAM教育とは?実践ポイントや事例でわかりやすく解説!コラム
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STEAM教育とは?

STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの分野を統合した概念です。

従来の教科の枠組みを超えて、これらの分野を関連付けて学習することで、創造性、問題解決能力、コミュニケーション能力などを育みます。

 

STEAM教育は、21世紀の社会で求められるスキルを育成する有効な手段として注目されています。

各分野の概要は次のとおりです。

  • 科学:科学的な思考、実験、観察を通して自然界の仕組みを理解する。
  • 技術:技術的な知識、スキルを使って問題を解決したり、新しいものを創造する。
  • 工学:工学的な知識、スキルを使ってモノを作り出す。
  • 芸術:芸術的な表現力を高め、創造性を育む。
  • 数学:数学的な思考、論理性を高め、問題解決能力を向上させる。

STEAM教育は、これらの各分野を結びつけることで、より深い学びと総合的な能力の育成を目指しています。

 

Science:科学

科学は、子供たちに自然の世界を理解するために必要な知識とスキルを教えます。また、観察・実験・データ分析などを通して、科学的な考え方や問題解決能力問題解決能力や批判的思考能力を育みます。

 

例えば、生物学では生き物の多様性や生命の仕組みについて学び、物理学では物質の性質やエネルギーについて学び、化学では物質の構成や反応について学び、地学では地球の成り立ちや環境について学びます。

STEAM教育では、科学の知識だけでなく、科学的な思考や問題解決能力を育むことを重視しています。

(科学的な思考とは、好奇心を持って疑問を持ち、仮説を立て、実験や観察を通じて検証する能力のことで、問題解決能力とは、問題に対して論理的に考え、解決策を見出す能力のことです。)

 

科学の知識と科学的な思考や問題解決能力を組み合わせることで、より深い学びを実現することができます。

科学技術の知識と科学的な思考や問題解決能力を駆使して、新しい技術や製品を開発し、社会の課題を解決する人材が育つことが期待されています。

 

 

Technology:技術

技術は問題解決能力、創造性、革新性を育み、新しい可能性を開拓することにより、変化の激しい社会で成功するための基盤を構築するのに役立ちます。

 

STEAM教育における技術とは、プログラミングやロボット、3D印刷、VRやARなどが含まれます。

例えばプログラミングではコンピュータを制御し、問題を解決するためのコードを学ぶことができ、ロボットを使えばプログラミングの他にも設計や構築も学べます。

テクノロジーの活用によって、論理的思考、問題解決能力、創造性などを身につけることができます。

また、仮想環境で実験や設計を行うことで、現実世界で発生する可能性のある課題やリスクを回避しながら、複雑な概念を理解することができます。

 

 

Engineering:工学

工学は、問題解決能力、創造性、批判的思考能力、チームワーク能力を育みます。

STEAM教育の工学分野では、設計と問題解決、構造と材料、システムとプロセス、テクノロジーのデザインと製造などについて学びます。

また、子供たちに工学の基礎を教え、将来のキャリアの可能性を広げるのに役立ちます。

 

STEAM教育の工学分野における実践例として、レゴブロックやその他の建設玩具を使って、子供たちに構造とデザインについて教えることができます。

また、子供たちに橋やタワーなど簡単な構造物を設計・建設してもらい、プログラミングを使ってロボットやその他の機械を設計・製造してもらうことで、工学の楽しさを体験させるのに役立ちます。

 

Art:芸術

芸術は創造性と表現力を育みます。問題解決や批判的思考を促進し、自分の考えや感情を創造的に表現できる力を養います。

芸術にもさまざまな種類があり、STEAM教育では以下のような活動が取り入れられます。

  • ビジュアルアーツ: 絵画、彫刻、写真、グラフィックデザインなど
  • 音楽: 作曲、演奏、音楽批評など
  • 演劇: 演技、脚本、演出など
  • ダンス: 振付、パフォーマンス、ダンス批評など

 

芸術教育は、創造性と想像力を高めるだけではなく、コミュニケーション能力の向上、自己表現力を高める効果などたくさんのメリットがあります。

さまざまな芸術活動を取り入れることで、子供は自分の可能性を最大限に発揮することができます。

 

Mathematics:数学

数学は他の4つの分野(科学、技術、工学、芸術)を支える基礎を作り、問題解決力、論理的思考力、批判的思考力を養うのに役立ちます。

数学の学習には、問題解決能力の向上、論理的思考力の発達、批判的思考力の育成、空間認識力の強化、技術的スキルへの応用などの効果があります。

STEAM教育は、数学の学習をより楽しく魅力的なものにすることができるので、抵抗感やハードルを下げることができます。

また、数学を現実世界の状況に適用することで、数学の重要性と関連性の理解にもつながります。

 

 

STEAM教育の背景と意義

STEAM教育は従来の学習に加え、創造性や問題解決能力を重視し、21世紀の社会で必要とされる人材育成を目指しています。

 

近年、STEAM教育が注目されている背景には、大きく3つの理由があります。

科学技術の急速な進歩

グローバル化や情報化が進む現代社会において、科学技術の知識やスキルはますます重要性を増しています。STEAM教育は、これらの知識やスキルを体系的に学び、活用できる人材を育成することを目的としています。

 

創造性と問題解決能力の重要性が高まっている

AIやロボットなどのテクノロジーが進化するにつれて、人間にしかできない仕事が求められるようになります。STEAM教育は、創造性や問題解決能力を伸ばすことで、未来の社会で活躍できる人材を育成することを目指しています。

 

世界的な教育改革の潮流

世界各国で、従来の知識偏重の教育から、思考力や創造力を重視する教育への転換が進んでいます。

STEAM教育は、この潮流に沿った教育として注目されています。

 

 

 

STEAM教育の効果は、世界中の研究や実践例によって実証されています。STEAM教育を受けた子どもたちは、創造性、問題解決能力、協働能力、コミュニケーション能力などが向上することが報告されています。

STEAM教育は、これからの時代に必要となる人材育成に欠かせない教育方法です。日本でも、STEAM教育の導入が積極的に進められています。

 

 

STEAM教育が注目される理由

STEAM教育が注目される理由はいくつかあります。

 

1. 21世紀型のスキルが求められているため

従来型の知識偏重の教育ではなく、問題発見・解決能力、創造性、コミュニケーション能力など、21世紀型のスキルが求められています。

STEAM教育はこれらのスキルを総合的に育成するのに有効な手段として注目されています。

 

2. 科学技術の急速な進歩に対応するため

科学技術は急速に進歩しており、それに対応するためにもSTEAM教育は不可欠です。

STEAM教育は、科学技術を理解し、活用する能力を養うことで、将来の社会を生き抜く力を育みます。

 

3. グローバル化に対応するため

グローバル化が進展する中で、国際的に通用する人材育成が求められています。

STEAM教育は、多様な文化背景を持つ人々と協働し、問題解決する能力を養うことで、グローバル社会で活躍できる人材を育成します。

 

4. 創造的な人材育成のため

創造的な人材は、イノベーションを起こし、社会を前進させる力を持っています。

STEAM教育は、創造性を刺激し、問題解決能力を養うことで、創造的な人材を育成します。

 

5. 楽しく学び、モチベーションを維持できるため

STEAM教育は、体験型の学習が多く、楽しく学ぶことができます。

また、STEAM教育は、興味・関心に合わせた学習が可能であり、モチベーションを維持することができます。

 

 

 

STEAM教育は、21世紀を生きる子供たちにとって、必要不可欠な教育であると言えます。

 

STEM教育とSTEAM教育の違いを知る

STEM教育とSTEAM教育は似ていますが、重要な違いがあります。

STEM教育は、科学、技術、工学、数学に焦点を当てた教育アプローチです。

一方、STEAM教育は、芸術をSTEM教育に加えたものです。この追加により、STEAM教育は創造性、革新性、問題解決能力を育むことに重点を置いています。

 

芸術は、創造的な思考、問題解決、コミュニケーションのスキルを育むのに役立ちます。これらのスキルは、STEMのキャリアで成功するために不可欠です。

芸術は、学生がSTEMの概念を新しい方法で探求するのに役立つこともできます。たとえば、学生は、工学の概念を彫刻や絵画を通じて学ぶことができます。

 

STEM教育とSTEAM教育はどちらも重要な教育アプローチですが、STEAM教育は芸術の追加により、創造性、革新性、問題解決能力をさらに育むのに役立ちます。

 

STEAM教育の効果とは?

様々な研究で、STEAM教育の効果は実証されています。

例えば、2015年の研究では、STEAM教育を受けた生徒は、STEM教育を受けた生徒よりも科学と数学のテストの成績が良かったことが報告されています。

また、別の研究では、STEAM教育を受けた生徒は、創造性と問題解決能力が向上し、チームワークも改善されたことが示されています。

 

STEAM教育の効果は、以下の点にまとめられます。

  • 問題解決能力の向上
  • 創造性の向上
  • 批判的思考力の向上
  • チームワークの向上

STEAM教育の効果を最大限に発揮するためには、効果的なカリキュラムや指導が必要で、子供たちの興味関心を考慮し、楽しみながら学べるように設計されている必要があります。

また、指導者は子供たちの創造性を引き出し、問題解決能力を育てることができるような指導を行う必要があります。

 

STEAM教育の実践における重要ポイント

STEAM教育を効果的に実践するためには、以下の重要なポイントを意識する必要があります。

 

1. 5つの要素をバランスよく取り入れる

STEAM教育は、5つの要素がバランスよく組み合わされることで、深い学びにつながります。各要素を単独で学ぶのではなく、相互に関連づけて学ぶことで、より深い理解と応用力が得られます。

 

2. プロジェクトベースの学習

STEAM教育では、プロジェクトベースの学習が推奨されています。生徒が興味関心を持ち、社会課題解決につながるようなプロジェクトに取り組むことで、主体的に学び、知識を応用する力が身につきます。

 

3. 協働学習を促進

STEAM教育は、チームワークやコミュニケーション能力も育みます。生徒同士の協働学習を促進することで、多様な視点やアイデアを共有し、より良い解決策を生み出すことができます。

 

4. 教師の役割の変化

STEAM教育では、教師の役割は知識の伝達者から、生徒の学びをサポートするファシリテーター(支援者)へと変化します。生徒の主体的な学びを促し、適切なアドバイスやフィードバックをしてあげる必要があります。

 

5. 評価方法の再考

STEAM教育では、従来のテストによる知識評価だけでなく、創造性や問題解決能力を評価することが重要です。そのため、生徒の学びの過程や成果物を多角的に評価するような方法が求められます。

 

これらのポイントを意識することで、STEAM教育の効果を最大限に引き出し、生徒の未来を切り拓く力を育むことができるでしょう。

 

 

 

 

海外で展開されるSTEAM教育の事例

海外では、STEAM教育への関心が高まっており、様々な国で独自の取り組みが行われています。

特に、アメリカ、イギリス、フィンランド、シンガポールなどは、STEAM教育に力を入れており、プロジェクト学習や問題解決型の学習、ロボット工学や人工知能などの分野に力を入れています。

日本も海外の事例を参考にしながら、STEAM教育の普及を進めていく必要がありますね。

 

 

日本におけるSTEAM教育の取り組み

日本におけるSTEAM教育は近年注目を集めています。政府や民間企業、教育機関などが様々な取り組みを進めています。

政府は2020年4月に「STEAM教育推進方策」を発表し、STEAM教育の普及啓発、人材育成、カリキュラム開発などを推進することを表明しました。

また、経済産業省は2021年3月に「未来の教室」構想を発表し、STEAM教育を未来の教育の柱の一つとして位置づけました。

 

 

民間企業では、LEGO EducationやMakeblockなどの企業が、STEAM教育向けの教材やプログラムを提供しています。また、大学や専門学校では、STEAM教育に特化した学科やコースを設置するなど、人材育成に力を入れています。

 

学校現場でもSTEAM教育の取り組みが徐々に広がっています。

小学校では、プログラミング教育や理科実験を取り入れた授業が行われるようになっています。中学校では、総合的な学習の時間や部活動で、STEAM教育の要素を取り入れた活動が行われるようになっています。

 

STEAM教育における課題とは?

日本でのSTEAM教育はまだ始まったばかりのため、多くの課題が残されています。

具体的には、

  • STEAM教育に適した人材が不足していること
  • カリキュラム開発が進んでいないこと
  • STEAM教育の効果を検証するデータが不足していること

などが挙げられます。

今後、これらの課題を解決していくことが、日本におけるSTEAM教育の普及には不可欠です。

この記事を書いた人
ぴょろ先生

ProgrameiQ教室長。
大阪音楽大学卒業。在学時に教員免許を取得。
15歳の時から約10年間音楽活動を続けた後、プログラマーとして都内のWEB制作会社にて勤務。
その後、子どもたちの未来を拓く手助けをしたいと考え、現在はProgrameiQの教室長兼メイン講師として現場に立ちつつ、教材開発や全体のシステム化に力を入れている。

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