はじめに
中学校入試で「時事問題」がよく出されているそうです。 時事問題とは、近年に起きた政治、経済、国際、社会一般などにおける事象の総称です。 時事問題に詳しい文教大学生涯学習センター講師の早川明夫さんによると、例年8〜9割の学校で出題されているとのこと。 早川さんは中学入試について次のように分析しています。
分析結果
毎年、首都圏の私立・国立中学を中心に100〜120校の出題を分析しています。
社会は8〜9割、理科は3割弱の学校で時事問題が出されています。
出題のタイプは大きく分けると2通り。名称などを直接問うタイプと、あるニュースや出来事を間接的に取り上げて、関連する学習内容を問うタイプです。
たとえば、「2017年に世界文化遺産に登録された沖ノ島は何県?」というのが直接問うタイプ(正解は福岡県)、「選挙権をあたえられるのが満18歳以上になった」という「選挙権年齢の引き下げ」を切り口にして、選挙権の拡大の歴史などを出題するのが間接的に問うタイプです。
(出典:朝日小学生新聞)
来春入試で出そうなテーマ
早川さんが紹介しているものも踏まえ、「来春入試で出そうなテーマ」とキーワードをいくつか挙げてみました。
化学・文化
(1)「潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に ・長崎・熊本の集落などが対象
(2)本庶佑さんノーベル生理学・医学賞受賞 ・京都大学特別教授本庶佑(ほんじょたすく)さん ・「免疫力」を使ってガンを治す新しい方法を開発
(3)築地市場移転・豊洲へ移転 ・中央卸売市場 ・市場、卸売業者、仲卸業者
自然災害
(1)関西空港水没 ・台風による吸い上げ効果と吹寄効果が原因
(2)西日本豪雨 ・オホーツク海高気圧(冷たい空気)と太平洋高気圧(暖かく湿った空気) ・前線(暖かい空気のかたまりと冷たい空気の塊がぶつかる境目)の停滞が原因 ・バックウォーター現象
(3)猛暑 ・太平洋高気圧 ・偏西風の蛇行
(4)北海道震度7 ・全域停電、ブラックアウト ・液化現象
政治
(1)アメリカと北朝鮮の首脳会談が初めて実現 ・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長 ・シンガポール南部セントーサ島のカペラホテルで
(2)核兵器 ・核兵器禁止条約 ・非核三原則
(3)北方領土 ・安倍晋三首相とプーチン大統領との会談 ・択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島 ・平和条約
(4)貿易 ・関税 ・米中の攻防 ・TPP
などなど、見ておわかりの通り時事問題はなかなかの量があります。。。
対策として新聞購読
子どもたちも入試のために急に詰め込むのは無理があるかもしれません。
そこで子ども用の新聞を購読して目を通す習慣をつけることをお勧めします。
例えば次のようなものがあります。
・読売KODOMO新聞 毎週木曜日発行 月500円
・朝日小学生新聞 毎日発行 月1769円
など
他にも毎日新聞社の「月刊Newsがわかる」(通常価格450円)などがあります。
まとめ
「大人むけの新聞を購読していたけど、文字の量も多いし読む気にならないな」と購読を辞めてしまった皆さんにもお勧めです。
子ども向けなので大人にとってもわかりやすくとてもためになります。
早川さんは時事問題の出題タイプについて「直接問うタイプ」と「間接的に問うタイプ」の知識を問う二つのタイプをあげていました。
しかし、「考える力」が重要視されている今の時代、「どのように考えるか自分の意見を述べよ」といった「意見を問うタイプ」も出題されるようになるのではないでしょうか? 先に紹介した子ども用新聞などをぜひ活用して見てください!!