大学

私大定員厳格化と東京都大学進学率低下

5f32df08af3a854d732cd09590040146_s

国の政策により2016年入試から私立大の入学定員管理の厳格化が始まりました。その影響で特に私立大文系の入試は年々難しくなっているそうです。そもそもなぜ私立大学の定員管理を厳格化しているのでしょうか。

なぜ定員管理を厳格化するのか?

若者の東京一極集中に歯止めをかけ、地方創生につなげることが狙いです。

定員増加を法律で禁止

文部科学省は2017年に東京23区内の私立大学と短大の定員増加を、一部の例外を除いて認めないことを正式に告示しました。また、2018年5月には東京23区の大学の定員増を原則10年間禁じる地域大学振興法が成立しました。10年間という期限は大学の経営の影響を考慮しています。この法律の正式名称は「地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による 若者の修学及び就業の促進に関する法律」です。概要は以下の通り。

  1. 地域における大学振興・若者雇用創出のための交付金制度
  2. 特定地域内の大学等の学生の収容定員の抑制
  3. 地域における若者の雇用機会の創出等

参考:文部科学省Webサイト(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/teiinyokusei/1409660.htm

 

定員管理厳格化の影響

私大定員が厳格化され、東京都の現役大学進学率は3年連続で下がりましたが、全国の進学率は最高水準が続き、地方で地元大学が増えたことは事実のようです。

img_6239

(参考:日本経済新聞)

 

一方で、次のような影響も出ています。

  • 3大都市圏を中心に浪人生が増えている
  • 入りたい大学より入れる大学を選び挑戦意欲が削がれている

まとめ

私大の定員管理厳格化について、文部科学省が行なった意見公募には「学問の自由に反する」などの否定的な意見が多く寄せられる一方で、「学生の質の確保につながる」といった肯定的な意見もあったそうです。地域大学振興法の10年間という期間の中で、どのように日本が変わっていくのか、注視していきたいですね。

「ゆるいリカレント教育」と子どもへの影響

2fcc10d6c265f5a9f8461396f3bddfff_s

近頃よく聞くリカレント教育。最近ではゆるいリカレント教育が流行ってきているようです。ところでリカレント教育ってなんでしょう??

リカレント教育とは

リカレント教育とは、義務教育や基礎教育を終えて社会人になったあと、あらためて就労に活かすために学び直し、また就労するというサイクルを繰り返す教育システムのことです。

なぜリカレント教育が必要か

寿命が延びて人生が100年になり、急速に変化する社会に適応していくためには、教育は人生の初期だけで終わりではなく、生涯にわたり続けていくことが重要であるからです。

日本のリカレント教育

2017年11月の「人生100年時代構想会議」で、安倍晋三首相がリカレント教育の拡充に向けた環境整備を表明し、文部科学省と経済産業省において取り組みが進められています。

内閣府はリカレント教育には次の2つの大きな意義があると述べています。

  1. これまでのような新卒で就職した企業に定年まで働くという単線的な職業キャリアではなく、学び直しによって、転職や起業を行うなどの多様なキャリア形成、「人生の再設計」が可能となること
  2. 第4次産業革命の技術革新が進む中で、学び直しによって、新技術に対応したスキルや、AI等の機械に代替されにくい能力を身に付けることが可能になること

また、効果についても次のような調査結果を発表しています。

  1. 大学等で勉学に専念する場合はもちろん、通信教育・オンライン講座を受けることや、セミナーへの参加、書籍による独学等その方法は様々です。いずれの場合も、学び直しを行うことでその効果がみられる
  2. 学び直しを行った人は、そうでない人と比べて、年収が10万円~16万円近く上昇する効果がみられる。また、職業に就いていない人が学び直しを行った場合には、そうでない人と比べて就業する確率が10%~14%程度上昇する効果がある

参考:(内閣府Webサイト)第2章 人生100年時代の人材と働き方 第2節年収・就業変化率等のグラフ

リカレント教育を受けるには

各大学で様々な取り組みが行われています。また、大学や専門学校等で学ぶことに限らず、通信教育・オンライン講座・セミナー参加・書籍による独学も、広い意味でリカレント教育(学び直し)といえます。例としてインターネット等で受講できる講義にMOOCがあります。MOOCとはMassiveOpenOnlineCourseの略です。

 Massive 大規模
 Open 公開
 Online オンライン
 Course 講座

誰もが無償(または安価)で受講でき、通常は数週間〜数ヶ月の受講期間で、受講期間終了後には成績が 提示され、合格者には証明書が発行されることもあります。MOOCで検索するといろいろと出てきますが、日本ではJMOOCが有名なところでしょうか。

ゆるいリカレント教育とは

日本経済新聞にゆるい大人の学びが活気付いているという記事がありました。例えば次のようなものです。

  • 大人のキッザニア体験が人気で20〜30代女性が7割
  • 小学4年生向け学習本「東大教授が教えるやばい日本史」の購入者の4割が大人で50〜60代が多い
  • 数学検定の受験者が50〜60代を中心に伸びている

img_6169

出典:日本経済新聞

まとめ

現代は情報技術の発達により、無料でかつ場所に縛られず大学などの講座を受講できるリカレント教育にはとても良い環境になってきています。無料で受講できて年収が上がるならばリカレント教育に取り組まない理由はありませんね。政府の後押しもあり、大学側もリカレント教育には今後さらに力を入れてくることでしょう。大学側にとっては少子化対策の定員確保にもつながるかと思います。

そしてゆるい大人の学びが活気付いているように、学びの楽しさに大人が気づき始めてきているようです。私も子供の頃は全く興味がなかった歴史に対して、大人になってからおもしろいと感じることが増えたように思います。「ゆるい大人の学び」から始めて「学びのおもしろさ」に気づき、より本格的なMOOCなどのリカレント教育へ段階的に取り組むのが良いかもしれません。そしてそんな大人を見て、子どもたちが何か感じてくれると良いですね。

リベラルアーツが大事!!

こんにちは。渡邊です。

 

先日、ボーク重子さんの講演で感じたことを書きましたが、今回は第二弾です。

先日の内容はこちらから↓

http://iot-makers.co.jp/blog/?p=1144

 

前回はパッションが大事という内容でしたが、

今回は、目標設定とコミュニケーションです。

 

ボーク重子さん曰く、

「ゴール設定して確実に目標にたどり着くことは、一種の能力だ!!」と。つまり、PDCA(※)を回して、夢や目標にたどり着くという能力は、教育することが可能ということです。

 

(※)PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、目標に対する行動を改善していく手法です。

 

ちなみに、現在、アメリカのメジャーリーグで活躍中の大谷選手(野球選手)も高校生の頃から、プロ野球で活躍するために、目標設定・実行の仕組み、すなわちPDCAサイクルを回すためのマンダラチャートというツールを使っていました。そして、あの大活躍です!!

 %e5%a4%a7%e8%b0%b7%e3%83%9e%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%a9

 

 

ボーク重子さんは、その中でも、夢や目標設定をすることが非常に重要だと仰っていました。娘さんのスカイさんも、日本とアメリカの高校生は、大きな違いはないと言っていました。ただし、アメリカの大学は、大学をリベラルアーツの内容で選ぶと。これは100年前から変わらないプログラムで、本当に好きなことを見つけるためには、いろいろな世界を幅広い視野で知らなければいけないということらしいです。

 

リバラルアーツについては、下記の記事が参考になります。

https://toyokeizai.net/articles/-/13697

 

 

つまり、リベラルアーツの言葉の意味どおり、自分で好きなことを探せる自由があるということです。

 

大谷選手が使っていたように、PDCAサイクルを回すためのツールは、非常にたくさんあります。ただ、夢や目標を設定するツールは、あまりないのではないでしょうか?

 

それは、その設定自身が、非常に奥深いものだからだと思います。

 

自分が生きている意味は何か?社会貢献とは何か?我々の世代が、後世に残すことは何か?などなど。

 

そういう哲学的なこと、歴史的な背景なども考えていかなければ、本当の意味での目標は見つからないのかも知れません。

 

海外ではそのような教育をしているということです。

 

日本ではどうでしょうか?

 

グローバル化で海外の人と一緒に仕事をすることが、今後はますます増えます。日本人同士でも、会社組織やチームで仕事をするときには、協調性や協働性を求められます。日本人は文化が同じなので、あ・うんの呼吸で通じる部分もありますが、海外の人は通じません。そのときこそ、意見を言い合う文化も必要ですし、仲良くなるための共通言語として、歴史や文化、哲学やアートといった、リベラルアーツが本当に必要なのではないかと思います。

 

さらに、ボーク重子さんのご家庭では、社会的なトピックについても興味を持ち、自らの意見を言う習慣をつけるためにも、夕飯で必ず、社会的なトピックについてコミュニケーションをすることを重要視していたそうです。

 

例えば、同じ記事、同じ本、ニュースについて、家族で意見交換をするなど。

そして、ボーク重子さんは、わざと天の邪鬼な意見を出して考えさせるようにしていたとも(笑)

 

それに対し、娘さんのスカイさんも、幼少の頃から、さまざまな人のいろいろな意見を聞けて、視点や考え方が増えたと言っていました。

 

さまざまな体験や社会トピックなどに触れるということは、その中から、興味を持つ分野ができ、さらにはそれが自分の目標設定になり、努力を継続することによって社会に貢献できる、という良い循環が生まれると思います。そして、それが自己肯定感につながる、そんな教育を弊社も目指していきたいなと思いました。